fabrication(fab)
製作,構成,組立の意味で,チップベンダがチップの製造工場を指してこう呼ぶ。
ファブレス
アメリカで誕生した企業形態で,IC の設計と販売だけを行い製造は外注するもの。
これのメリットは,生産設備への多額の投資を避け,開発に注力することができるので,資金力の比較的小さい企業が半導体市場に参入できる事である。
例として,ビデオカードに搭載するコントローラー LSI には,ファブレス企業の製品が多く見られる。
PC 周辺機器メーカーに多い。
自社で工場を持たないということは,生産ラインを常に稼働させておかなくてはいけないとか,機材を償却するために一定期間使い続けないといけないとか,従業員の雇用を確保するために何かを作り続けなければいけないといった制約がなく,必要に応じて外注先に生産を振ったり取りやめたりといったことが可能になる。
そのため,製品に応じてラインを柔軟に増減させたり,外注先を競争させてコストを削減できる一方,トラブルの発生時に即時対応などの融通がききづらかったり,生産に従事する従業員の一挙手一投足までチェックできないことから目の届かないところでトラブルが発生する可能性に対処しなければならないというデメリットもある。
発注側企業と生産側企業でよくトラブルになるのが,不良品が発生したときの対応。
生産側は発注側が作成した仕様書に従って製造したと主張し,発注側は仕様書で指示していないが『当然なされるべき作業が行われていないから』と反論し,たいてい泥沼の状態に陥る。
“ファブレスメーカー”が,自分で不良品の修理を行うことはまずない。
不良品が発生した責任は資産受託側にあるから,彼らに不良品を引き取らせて,発注側が支払った代金を返金させればよい,という考をする。
不良品を返品してきたユーザーには『修理していると時間がかかるので,新品との交換で対応させていただきます』と,いかにもユーザー側に立ったような説明をしていたりするが,ファブレスメーカーの『修理』にはこのような事例が“ないとはいえない”。
不具合が発生した製品と同じ型番が送られてきているわけで,下手をすると同じ不具合が発生する可能性も考えられる。
“新品交換”で時間稼ぎをしている間に,生産側が対策を探っていることもある。
いずれの場合も,発注側のファブレスメーカーには修理を行なったり対策品を作ったりするノウハウがないので,生産側を動かして問題に対処した製品を用意しなければらない。
対応のめどが立たないまま時間だけが過ぎてしまうと,営業やサポートセンターはユーザーと販売店からのクレーム対策に追われ続けることになる。
しかし,自分たちの設計にミスがあることを認めると,多大な金銭的損害が発生するので,生産側に高圧的になったり下手になったりしながら,うまく妥協を引き出そうとする。
こうしたトラブルでもめている間は,次期製品の打ち合わせも行えなくなるので,開発スケジュールにも影響を及ぼす。よくありがちなのが,ファブレスであることを生かして『この生産メーカーは対応がよろしくない。次の製品からは別のメーカーに委託しよう』と生産を別の会社に振り替えてしまう発想。
発注側の担当者が生産側に責任をなすりつけた場合,企業トップの判断で後継製品の生産メーカーを変更してしまうのは,ファブレスメーカーにおいては少なくない。
不良品発生率が高い製品が,次のロットでまったく違うボディになっただけでなく,仕様の一部が古い製品に戻ってしまうことがあるが,その場合にも,こうした事情が潜んでいる。
生産側にまとめて返品されたというか無理やり引き取らせた不良品が修理されて再出荷されることは少ない。
返品になった時点で不特定の個人がしばらく使用していたので,修理しても新品として売ることは難しく,まるごと廃棄したほうが結果的に安上がりになる。
ただし,ある程度数がまとまっていれば,ボディだけを交換してノーブランド製品として市場に流したりといったことも起こりうる。
流通しているバルク品の中には,こうした製品が混じっている。
発注側のファブレスメーカーが見ていないところで新品に紛れ込ませて再び納品している例もあるらしい。
部品単位ならいざ知らず,完成品で納品していると検品で発覚することはない。
サプライ製品などでボディカラーの調合ミスなどが発覚したものの,実用上は何の問題もない場合は,発注側が“安価に”買い取って別型番の特売品として流通させる場合もある。
ファンドリー
客先ブランドの IC を製造する工場またはメーカー,有力企業が製造のみを請け負うもの。
自社ブランドを持つ半導体メーカーとファンドリー専業メーカーがあり,後者は台湾に多い。
electronics manufacturing service(EMS)
電子機器製造サービス,電子機器製造請負会社
OEM 専門(広い意味)で各種電子機器を生産している企業,またはビジネスモデル。
または,顧客の必要に応じ,生産などのサービスを提供する企業。
厳密には,自社ブランドを持たないことで OEM とは区別される。
製品開発と製造・物流・販売を別々の専門企業が担当する,アメリカ流の「水平分業」モデルから生まれた。
複数の企業から注文を受けることで,工場の稼働率を安定させ,量産効果でコストを下げる。
その低コストの秘訣は徹底したマニュアル化とも, 多数の企業からの受注による量産効果ともいわれている。
これは,単なる製造だけでなく,メーカーからハイテク製品の設計,資材調達,生産,物流,修理などをトータルに請け負い,
類似品を複数の企業から受注する事で量産効果をだしていると言われる。
世界中に拠点がある大手 EMS は工場の仕組みを標準化することで,
需要動向や顧客のニーズの変化に柔軟に対応している。
発注元は,製造関連部門を外注化することで,生産設備と在庫を圧縮することで経営資源を開発やマーケティングに集中できるので,
最近は工場を従業員ごと EMS に売却する企業も珍しくない。
世界全体の市場規模は2003年に1770億ドルに達するとも言われる。
Flextronics International
シンガポールの受託製造業者,Xbox を製造している。
サイト:http://www.flextronics.com
2007年6月4日,競合する Solectron を買収すると発表。
これにより,世界35カ国で従業員数約20万人,年間売り上げ300億ドルを超える巨大 EMS が誕生する。
Solectron Cop. ソレクトロン
アメリカの EMS の最大手,元々は太陽発電のベンチャー企業,カリフォルニア州 Milpitas。
1990年代に IBM,ヒューレット・パッカードなどの工場を従業員ごと買収し拡大。
2000年末,ソニー中新田(宮城県)を社員ごと買収。
さらに NEC 茨城のコンピューター関連部門を買収し,世界57拠点に65000人の従業員に成長。
2001年の売り上げは 186億ドル。
サイト:http://www.solectron.com
Celestica Inc. セレスティカ
IBM の工場を母体に発足した EMS 企業。
1994年設立,カナダ・トロント。
2001年の売り上げは 100億ドル。
NEC 宮城,NEC 山梨(いずれも通信関連)の2工場を買収。
サイト:http://www.celestica.com
Sanmina SIC Systems Cop. サンミナ SCI システムズ
サンミナ社と SCI 社が合併してできた会社。
日本 IBM の野州事業所(滋賀県)を買収。
サイト
http://www.sci.com
http://www.sanmina.com
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